※この記事は、経理も兼任している経営者向けです。
ざっくり資金繰りシートを使っているコバヤシ(@BizHack1)です。
今月は「いくら入って、いくら払うのか?」はわかっているけど「3ヶ月先がわからない」経営者は以外と多いものです。3ヶ月先がわかると、計画的な資金運用が出来る為、もったいない事です。
今回は、3ヶ月の収入と支出を記載する。ざっくり資金繰り表の作り方と運用方法を説明します。
ざっくり資金繰り表の作り方
早速「ざっくり資金繰り表」の作り方と運用方法を説明していきます。
表の構造と作り方
完成した「ざっくり資金繰り表」は、以下の画像になります。
大きく2つのブロックA,Bに分かれ、Aが資金繰り表部分、Bが勘定科目部分です。
Aの資金繰り表部分の見出しは、以下の構造です。
列 | 項目 | 動作 | 関数 |
---|---|---|---|
A | 日付 | ・実行する月日を記載 | ・- |
B,C | 科目 | ・コード入力記載 →勘定科目を表示 | ・C列に以下関数を入力=IF(B4="","",VLOOKUP(B4,$L$4:$M$36,2,FALSE)) |
D,E | 適用 | ・入出金の対象を記載 ・金融機関名を記載 | ・- |
F | 入金 | ・入金額を記載 | ・- |
G | 支払 | ・支払額を記載 | ・- |
H | 残高 | ・繰越残高を表示 ・3行目は0記載 | ・H列に以下関数を入力=H3+F4-G4 |
I | 備考 | ・決済手段や定期入手金日を記載 | ・- |
J | – | ・重点項目に★などつける ※不要なら未使用でOK | ・- |
Bの勘定科目部分の見出しは、以下の構造です。
列 | 項目 | 動作 | 関数 |
---|---|---|---|
L | コード | ・勘定科目名称のコードを記載 | ・- |
M | 勘定科目名称 | ・勘定科目名称を記載 ※実態に合わせて改変する | ・- |
N | 入金集計額 | ・Aで入力されたコードの合計入金額を表示 | ・N列に以下関数を入力=SUMIF($C$4:$C$49,$M$4:$M$34,$F$4:$F$49) |
O | 支払集計額 | ・Aで入力されたコードの合計支払額を表示 | ・O列に以下関数を入力=SUMIF($C$4:$C$49,$M$4:$M$34,$G$4:$G$49) |
行 | 項目 | 動作 | 関数 |
---|---|---|---|
35 | 合計 | ・入金集計額を表示 | ・N列に以下関数を入力=SUM(N4:N34) |
35 | 合計 | ・支払集計額を表示 | ・N列に以下関数を入力=SUM(O4:O34) |
36 | 当月収支 | ・当月収支を表示 | ・N列に以下関数を入力=SUMIF($C$4:$C$49,$M$4:$M$34,$F$4:$F$49) |
A資金繰り表部分の使い方
A資金繰り表部分の使い方は、金融機関毎で上部に支出、下部に入金とします。
詳細は以下のリストと画像を見てください。
- H3の残高部分=0
- E列=金融機関
- 4~10行目=月固定支出
- 12~13行目=年固定支出
- 14~22行目=スポット支出
- 27~43行目=借入金返済や給与・賞与など固定支出金額の大きいもの
- 44~48行目=売上高や売掛金などの大きな入金額
開始残高は0で、3ヶ月通しで見たい時などに、前月末残高をコピーすれば繰越額も把握できます。
当月収支は、Bの勘定科目O36に表示されているので、困ることはありません。
運用方法
運用方法は、最低毎月1回は使っていくことから始めます。
翌月分は、当月シートをコピー&ペーストし作成します。
最初のうちは、金融機関や、決済方法が目的別になっていなかったり、入出金の日がバラバラになっている事が多く、整理整頓ができていない事がわかります。
整理整頓するには、取引先に入出金の口座変更依頼や入金日を五十日に変更などになるので、3ヶ月ほど時間が必要ですが、これが終わるとシンプルな管理となり、3ヶ月先の入出金も把握しやすくなります。
運用時のポイント
次に運用時のポイントを見ていきます。
「ざっくり資金繰り表」は、その名の通り”ざっくり”把握することが目的ですから、何でもかんでも記載しない事です。目的が記録する事にならないように、意識しましょう。
具体的には以下の2つです。
項目をある程度まとめてしまう
固定金額で分かっている分を除いて、変動するスポット金額をある程度まとめてしまうと良いです。
例えば、月間予備費で10万円を計上しておくなどです。
細かすぎる金額は記載しない
固定金額で分かっている分を除いて、1円単位の金額記載は不要です。
万円単位で良いかも知れません。
まとめ
今回は、ざっくり資金繰り表の作り方と運用方法を紹介しました。
ざっくり資金繰り表を使っていくと、以下が出来るようになります。
小さな会社の経営者は、経理も兼任している事も多いと思います。
まずは、ざっくり資金繰り表で3ヶ月先の大枠を把握しておくと、計画的な資金運用が出来ますし、経理負担も軽減します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。