※この記事は、「割引現在価値」について知りたい人向けです。
電卓でさっと割引現在価値計算するコバヤシ(@BizHack1)です。
「割引現在価値」とは、未来のお金が今どれくらいの価値なのかを考える方法です。
今回は「3年後にもらえる100万円は今いくら?」や日常的な事例を元にやさしく解説します。
後半では、キャノン・シャープ・カシオ電卓での計算方法も紹介します。
割引現在価値ってなに?かんたんに説明すると…
割引現在価値(Present Value)とは、将来のお金の価値を「いまの金額」に直す考え方です。
たとえば、
- 今日もらえる1,000円と、
- 1年後にもらえる1,000円
…どっちがうれしいですか?
ふつうは「今日のほうがうれしい!」と思いますよね?
それが、割引現在価値の考え方です。
割引現在価値の計算式(むずかしそうだけど意外とカンタン!)
割引現在価値の計算式は以下になります。
PV = FV × (1+r)ⁿ
※「ⁿ」は「n乗」の意味で、たとえば3乗なら「×××」を3回かけるという意味です。
- PV:今の価値(Present Value=プレゼントバリュー)
- FV:将来の価値(Future Value=フューチャーバリュー)
- r:年利(たとえば2%なら0.02)
- n:何年先か(何年運用するか)
たとえば3年後にもらえる100万円は今いくら?
たとえば、年利2%で3年後にもらえる100万円を「今の価値」にすると、
- 1年後:100万円 ÷ 1.02 ≈ 980,392円
- 2年後:100万円 ÷ 1.02 ÷ 1.02 ≈ 961,168円
- 3年後:100万円 ÷ 1.02 ÷ 1.02 ÷ 1.02 ≈ 942,322円
つまり、3年後の100万円は、今の94.23万円くらいの価値なんです!
前述した割引現在価値の計算式に当てはめると、
PV = 100万円 ÷ (1.02)³ ≈ 94.26万円
となります。
電卓の操作方法(すぐできる!)
電卓で割引現在価値計は簡単にできます。
キャノン・シャープとカシオの操作方法を見ていきましょう。
通常計算の場合
- 1年後:100 [÷] 1.02 [=] → 980,392円
- 2年後:100 [÷] 1.02 [÷] 1.02 [=] → 961,168円
- 3年後:100 [÷] 1.02 [÷] 1.02 [÷] 1.02 [=] → 942,322円
キャノン・シャープの場合
- 100 [÷] 1.02 [=] [=] [=] → 942,322 (円)
今の金額が前で、年利が後ろ。[=]を押す回数が年数です。
カシオの場合
- 1.02 [÷] [÷] 100 [=] [=] [=] → 942,322(円)
年利が前で、今ある金額が後ろ、 [÷] を2回押す(定数機能を使っています)、[=] を押す回数が年数になります。
たったこれだけで、割引現在価値計算が一瞬でできます。
複利計算の仕組みや定数計算など、電卓の操作方法を知りたいなら以下の記事もチェックしてください。
関連記事:
・電卓の定数計算とGTを使う!メーカー別、決まった数字を連続して計算する方法
・電卓でできる!複利の計算をやさしく解説|100万円を年2%で3年運用するとどうなる?
こういう計算をするには、定数計算やGT機能がある電卓があると便利です。
以下に”おすすめ”モデルを紹介します。
計算効率を高めたい方は、1台持っておくと重宝します。
- キャノン「HS-1220TUG」(実売1,500~2,000円)
- シャープ「CS-S952X」(実売4,000~5,000円)
- カシオ「DS-20WKA-N」(実売8,000~10,000円)
「NISA」「教育費」「老後資金」など、未来のお金の計算にぴったりです。
身近なことでわかる!割引現在価値のたとえ話

身近な例として、日常的な事例をみてみましょう。
おこづかいをもらう話
「今日1,000円」と「1年後に1,000円」…
今もらえたほうがうれしいですよね?すぐ使えるし、貯金すれば利息もつく。
→ 時間がたつと、同じ金額でも価値が下がる。これが割引現在価値!
ゲームで例えると…
「今100コイン」か「1週間後に120コイン」でも今コインを使って強い武器を買えば、すぐボスを倒せる!
→ 今のコインのほうが、チャンスをつかめる=価値が高い!
アルバイトでも…
「今日働いて8,000円」or「1か月後に9,000円」
今もらえれば急な出費にも対応できるし、使う自由もある!
→ すぐもらえるお金には、安心感という価値がある!
ケーキを食べるなら今日!
「今のケーキ」or「明日のケーキ」
明日になったら乾燥してるかもしれないし、冷蔵庫で忘れちゃうかも…
→ 今のほうが満足感が高い=価値が高い!
企業の投資判断にも使われる!
会社では、「将来の売上」を今の価値に直して、投資するかどうかを決めます。
これを**NPV(正味現在価値)**といいます。
たとえば、
- 今100万円かけて、将来150万円の利益がある!
…その150万円の割引現在価値が120万円なら、やる価値あり!
でも90万円しかなければ、損するかもという判断になります。
→ 企業も、未来のお金の「本当の価値」を見てるんです!
まとめ|「今のお金」のありがたさが見えてくる!
今回は、割引現在価値をやさしくやさしく解説しました。
割引現在価値は、「未来のお金」と「今のお金」を比べる考え方。
- 今すぐ使えるお金は、安心感もある
- 時間がたつと、価値はちょっとずつ下がる
- 未来の選択をするときにとっても便利!
逆に、「今のお金が将来いくらの価値か?」を知りたいなら **「複利」** という考え方があります。
こちらの記事では、「複利」についてやさしく解説しています。
こちらも、電卓があれば、かんたんに計算できるので、ぜひ一度ためしてみてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
複利で未来をふやすのも、割引現在価値で今を考えるのも、お金と時間がどうつながっているかを知ることが大切です。電卓を使うとかんたんに計算できるので、「時間×お金」っておもしろい!を体感してみてください。