労働保険の年度更新時期になりました。平成31年度は、6月3日(月)~7月10日(水)までになります。
前年度に続き電子申請でしてみました。税金関連も、ほぼ電子申請に移行しています。ほぼというのは、申告は出来ても、納付が出来ないなど、管轄省庁によってバラツキがあるためです。本日現在では、京都=法人地方税、大阪市=住民税などが対応していません。
また、ブログを始めたのが、今(2019年07月から)ですので、使用している他のサービスなども交えてご紹介します。
生産性のない事務作業は、電子申請し効率化を図る
労働保険は、簡潔に言うと、従業員がいれば入らなければならない保険です。構成は以下になっています。縦組織です。
雇用保険 窓口:ハローワーク(公共職業安定所) +労災保険 窓口:労働局や労働基準監督署
年に一度この時期(6月)に見込給与を基に、4~3月の1年分の雇用保険料と労災保険料を算定・申告して、会社がまとめて前払いします。
これを「労働保険の年度更新」と言います。
以前は、総務課管轄で、手作業で計算したり、社労士さんに依頼していました。現在は、やる事を変えたので、2018年から自分でやることにしています。
なぜ電子申請なのか?2つの理由
- 切り離してしまった申告書・領収済通知書(納付書)や郵送手続き、金融機関の窓口での納付をしなくて良くなります。
- 政府は、電子申請を義務化していっています。
お手元に届いている「申告書の書き方」の後ろのほうにある”よくある質問”に以下の質問・回答があります。
Q1.申告書と領収済通知書(納付書)を切り離してしまいました。どうしたらいいのですか。
A.申告書のみを管轄の労働基準監督署または労働局にご提出頂き(郵送でも可)、領収済通知書(納付書)は、お近くの金融機関で納付してください。
平成31年度 労働保険 年度更新 申告書の書き方 より
Q2.納付金額がないとき申告書の提出はどうしたらいいのですか。
A.申告書のみを管轄の労働基準監督署または労働局にご提出ください。(郵送でも可)
平成31年度 労働保険 年度更新 申告書の書き方 より
面倒クサイですね。
慣れてくるとわかってくるので、どうってことないですが、そもそも電子申請すると紙ではないので、こういうことは発生しません。納付もその場でできるので、金融機関に出向く必要がないです。(ネットバンキングの契約は別途必要です。)
同じく「申告書の書き方」の後ろのほうにある”電子申請の義務化のお知らせ”にあるように、電子化をどんどん進めています。
2020年4月から特定の法人について電子申請を義務化します。
平成31年度 労働保険 年度更新 申告書の書き方 より
と明記されています。特定の法人、一部手続きと段階的ではありますが、民間のサービスでも、どんどん電子化されていっているので、この方向性は正しいと思います。
資本金、出資金又は銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人、特定目的会社
継続事業(一括有期事業を含む。)を行う事業主が提出する以下の申告書
- 年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出金申告書)
- 増加概算保険料申告書
100人の従業員、日給のアルバイト、年俸制の従業員、雇用形態もバラバラな比較的大きな組織では、バックオフィス業務を専門に受ける部課を子会社化するなどで、効率化を図れます。私たちの組織では、せいぜい5人くらいの零細企業です。コストにしかならないバックオフィス業務は簡潔にしたいものです。
電子申請する為の具体例
- クラウドサービスで勤怠管理、給与を管理する。煩わしい保険料計算が軽減する。
- マイナンバーカードで電子証明書を取得し電子政府の総合窓口(e-Gov)で申告・納付をする。
以前の私たちは、1年間の従業員の保険料を計算し、間違っていないか再確認し、社労士さんに確認し、会話し、間違っていれば、再度修正する。と決まり決まっている事務作業をしていました。2回、3回とダブルチェックというワークフローを入れ、その効率化を図ったりはしていると思います。
これが、クラウドサービスを使うと、毎月記録していくので、労働保険の年度更新時期である6月に、ボタンを押すことで、自動で書式化してくれます。
私の場合は、専門化の確認を取る。を最終タスクにしていますので、そのデータをチャットワークで税理士さんに送り、最終確認しています。
クラウドサービスは、マネーフォワードクラウドシリーズ、freeeシリーズ、弥生会計シリーズ、TKC FX4クラウドなどを耳にします。
その時の税率や法律にリアルタイムで変更され、追加料金もかからない。その代り比較的少額の月額課金制(=サブスクリププションといいます。)になっています。
法人のスモールビジネスの場合
- 月額契約の場合:47,760円/年=3,980円/月×12か月
- 年額契約の場合:35,760円/年=2,980円/月×12か月
差額12,000円です。サービス元のサーバーを使用している、障害発生時にシステムが止まってしまう、価格改定がサービス元都合で実行される。などがデメリットです。バックアップを取り、いつでも乗り換えられるようにしておけば大丈夫です。私も年額契約にせずに月額契約のままでいつでも乗り換えられるようにしています。12,000円分は、デメリットを回避するコストと割り切っています。
会計/確定申告・請求書・経費・給与・マイナンバーがパック化されているものがほとんどで、私たちがとっつきやすいのは、マネーフォワードクラウド、freeeの2択です。
どちらもFinTech(フィンテック※金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語)と呼ばれる、ベンチャー企業です。freeeは以下のコメントがあります。
簿記や会計に関する知識に限界がある人に向けて分かりやすく直観的な操作ができるように作られています。専門知識はほぼゼロという人でも経理業務を行うことができますし、どうしても困ってしまった場合にはサポートデスクなどに問い合わせることもできます。
freeeホームページより抜粋
私は、”専門知識はほぼゼロ”で”困ってしまった場合にはサポートデスクなどに問い合せる”というコンセプトが合わないので、複式簿記重視のマネーフォワードクラウドを使っています。
マネーフォワードクラウドは、サービス内で電子申請まではできないですが、現在の国のシステム対応からすると逆に面倒なので、割り切っているところが良いです。
このような感じになります。
労働保険料申告書の帳票出力は未対応ですが、レイアウトが違うだけです。これを元に、e-Govで申告・納付を行います。初めての方は、事前準備ガイドbookを参照して電子証明書を入手してください。
労働保険関係手続の電子申請について 事前準備ガイドbook (e-Gov,pdf※2.41MB)
操作マニュアルがありますので、それを見ながら操作すると完了します。
労働保険年度更新 電子申請操作マニュアル (e-Gov,pdf※8.20MB )
運用できれば今後楽。運用するまでが大変。
電子申請する為の具体例で、良い事ばかり述べましたが、実は運用するまでが大変です。
準備しなければならないものが多く、電子証明を取るための手順やシステムの初期設定、データの取り回し方など、パソコンやプログラムの知識がないとお手上げです。
そんな専門的なことを言われても、 私たちは 何をやれば良いのかわかりません。
準備するだけでもマイナンバーカードを申請し入手する。カードリーダーで認証する。初期設定をする。などすぐにできません。
4月のある日、年金事務所にいく機会がありました。電子申請を促すことを話されますが、大多数の法人が電子申請していないのが実態のようです。いくつか質問事項があったので、担当者の方に聴きましたが、全く答えられませんでした。
また、この記事を書くにあたり、どのくらい検索されているのか調べてみました。Googleのキーワードプランナーという検索キーワードを見てみました。
キーワード:労働保険 年度更新 電子申請
キーワード: 労働保険 年度更新 e-gov
いずれも、月間平均検索ボリュームが10~100です。誰も検索していません。
入札金額は、電子申請325~1,739円でe-govは、0円でした。電子申請の方は、検索ボリュームはこそありませんが、そこそこします。業者さん向けなのでしょうかね?よくわかりません。
私の周りの小規模事業で、電子申請されている方はいません。とにかく、”面倒”が全面に出てきます。でも小規模だからこそ、徹底的にムダを省く必要があると思います。なんでもかんでも自分でやらなくてはならないのは、イヤ ではないですか?
ここが乗り越えられるかが決め手になります。今後、間違いなく進んでいきますので、今がチャンスだと思います。私も最初は誰もやっていないので大変でした。
担当部署に電話で問い合わせをしても要領を得ませんでした。
- IE11でないと動かない(=既に開発終了しており最新技術に追いつけない仕様)
- 既存の組織インフラなどすぐに対応出来る訳がない
など、担当の方もわかっていらっしゃると思います。その中での電子化推進ですので、矛盾を一杯抱えています。仕方ないことだとは思います。
でも、少しずつ良くなっているのは毎年感じています。
国や地方自治体、各官公庁省のような大きな組織が進めているので、でっかい業務フローの中に入る事になります。 今後のこういう事務作業がどうなっていくのかを肌感で理解することができます。事務系の仕事をされている方も必須スキルになっていくでしょう。
是非、挑戦してみてください。
あなたは、生産性のない事務作業は、電子申請し効率化を図ることができる
如何でしたでしょうか?
あなたは、生産性のない事務作業は、電子申請し効率化を図ることができます。
全く知識がなければ、自分で行わなくても構いません。国や地方自治体の最優先である税金関係では、より対応が早いです。推進する為に補助金を組んだりしている事もあります。
委託業者が、
- 無料であなたの事務所まで出向いて電子申請の設定をしてくれる。
- 無料で相談にのってくれたりする。
などもありました。
私がやった時には、全くなかったです。管轄の官公省庁や地方自治体のホームページに載っていますので、一度ご覧になられるのも良いですね。まだまだ、みにくいホームページが多いですが。。。
運用することができれば、ホントに楽になりますよ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。