BizHack MEDIAパーソナリティーのコバタケ(@BizHack1)です。
今回、お話しをうかがうのは、
NPO法人ウエルネスハート 代表理事/ラジオパーソナリティーの石井 美弥子(いしい みやこ)さんです。
当事者視点で発信し、私がいなくても回るようにする
NPO法人ウエルネスハートの代表理事である「みやこ」さんは視覚障害者です。
当事者ならではの経験を「☆ウエルネスと笑顔を応援する☆miyakoの『アクティブにいこう!』」という番組のパーソナリティーとして情報発信をしています。
15歳の時に「網膜色素変性症」と診断され、保育士という夢をあきらめ「目の見えている間は働こう!」と就職した先でご主人と出会い、2人のお子さんを授かります。
「家族はみんな若いままなんです!」
明るく話す彼女の記憶は「息子が中学生の時」とのこと。
もう少し私自身の発信力を高めると、私がいなくても回るようになるんじゃないかな!
と「みやこ」さんの言葉に迷いは感じません。
ウエルネスは「今をよりよくする」という意味
石井 美弥子(いしい みやこ)さんBizHack MEDIAへようこそ!
今日は、お招きいただき、ありがとうございますー。
NPO法人ウエルネスハート 代表をしておりまして、ゆめのたね放送局 大阪スタジオのパーソナリティーでもあります、石井 美弥子(いしい みやこ)と申します。
パーソナリティー名「miyako」で関西チャンネル 毎週月曜日 10:00~10:30に「☆ウエルネスと笑顔を応援する☆miyakoの『アクティブにいこう!』」という番組をやっています。
よろしくお願いします!
「みやこ」さんの番組を聴かせていただき、BizHack MEDIAにゲスト出演して頂きたくお願いしたところ、快くお請けいただきありがとうございます!
こちらこそ、ありがとうございます!
さっそくですが 「みやこ」さんの番組はどんな内容なのかご紹介ください。
私は、ゆめのたね放送局 初の視覚障害者なんです。
視覚障害者と聞くと、みなさんから「目が見えないと大変ね」と言われますし「いろんなことができない」と思われます。
実際にできないこともあり、私自身10年ほど低迷期(悩み)がありました。
番組では、そんな自分の経験を伝えています。
どんな経験を伝えていますか?
「心の持ち方」や社会に対して「こういう工夫がアレば良いな」など思うことがたくさんあり、アクティブ(前向きに)になれるまでの体験や、それを支えてくれる方たちの活動を伝えています。
そうすることで、今までは1つの視点だったたことが、もしかすると多方面で“ものごと”をとらえることができるかもしれません。
「こういうふうに考えれば、こういうことができるんじゃないか」というきっかけやヒントになれば嬉しいなと思っています。
番組タイトルに「ウエルネスと笑顔を応援する」と副題がついていますが「ウエルネス」は一般的には”健康”という意味でつかわれています。
が、私の場合は、今よりも「よりよく」と言う意味で使っています。
今を「よりよく」することによって笑顔が増え、みなさんに『アクティブにいこう!』と呼びかけていますw
深い!ですね。
視覚障害者の方と話す機会のない私には「みやこ」さんのお話が新鮮です。
ありがとうございます!
相談できるまでに10年。家族はみんな若いまま。
「みやこ」さんの略歴を、紹介してください。
15歳の時にコンタクトレンズを紛失したことで眼科にいきました。
そこで目の検査をすると「網膜色素変性症」と診断されました。
「網膜色素変性症」は今のところ治療法がなく、経過観察しかできません。
この病気は、網膜の数がどんどん減っていき、場合によっては見えなくなります。
【網膜色素変性症とは】網膜という部分に異常をきたす遺伝性、進行性の病気で、4,000~8,000人に1人と言われている。
⇒ Google Scholar(グーグル・スカラー)「網膜色素変性症 の学術記事」
将来は大学に進学し資格を取って保育士さんになりたかったのですが「見えなくなるなら、コレはムリ」だとあきらめました。
見えている間は「とにかく働こう!」と思い就職をし、そこで主人で出会い、2人の息子を授かる事ができました。
ちょうどそのころ、病気が進行しガタガタと見えにくくなりました。
今は、目の前に人が立っていてもわからないんです。
2か所程小さく見える場所があり、そこに何かが写ると、きちっと形が見えるわけではなく、
- 何かが通った ⇒
- 人?自転車?車? ⇒
- 影の大きさなどの見えていた時の記憶と照らし合わせる ⇒
- おそらく「コレ」だろう
という見え方なんです。
なるほど…
どんどん見えなくなることに対して、不安とか悲しみがかなり強くて…
でも、家族に言うと悲しむから「いっちゃいけないな」と自分で抱えていました。
10年くらいはこらえて過ごしていましたが、限界があります。
それで、主人に不安とか悲しみを打ち明けてから、少しずつ前を向いていくきっかけになりました。
主人や周りの方たちから、言葉・メッセージの力によって「ああっ、そうだよな」と思うことができ、ちょっとずつ前に進み現在に至っている感じですね。
もぅ「ストーリー」がスゴイな!
深すぎ!
ですねww
ぐぅの根も出ない!って感じですww
生まれた時からではないが故に「ツライんじゃないか」って思いました。
ホントにそうなんですよ。
先天性の方は「見る」と言う感覚は(はじめから)ないですが、私は相手の表情を知っています。
どうしても。相手がどんな表情をしているのかって思っちゃう。。
お子さんがいて、その頃に病状が進行したのですね?
子供を産んで1、2年でガタガタと悪くなっていきました。
息子の顔の記憶があるのは「中学生の頃まで」です。
だから、主人も子供もみんな若いままなんですよー。
私の記憶の中ではw
メッチャ、いいでしょうー。
なるほどね!
「みやこ」さんからすれば「若い時のままで止まっている」ともいえるのか!!
そうなんですよ!
みんな若いままなんですよw
これは、お話しを聞かないと「考え方を知ること」すらできませんね。
こういう考え方に「なれました」って感じですね!
10年という長い低迷期の葛藤を30分という当番組内では、残念ながらお伝えすることはできません。一人語りしている「みやこ」さんの番組音源で、是非お聴き下さい。
ありがとうございますw
⇒ 2017年1月放送「☆ウエルネスと笑顔を応援する☆miyakoの『アクティブにいこう!』」の音源を聴いてみる ※クリック後、すぐに再生されます。音量にご注意ください。
当事者ならではの視点で、ドンドン発信していきたい
番組をはじめたのはいつ頃なんですか?
2016年の11月にパーソナリティーデビューしました。
丸4年がたった感じです。
(コバタケより)先輩ですねー。
おかげさまで、続けさせて頂いていますー。
10年の低迷期のあと、すぐに番組をはじめたのですか?
NPO法人の活動が先です。
2012年12月に法人の代表になり、いろんな方とご縁を頂くうちに、どんどんアクティブさが増してきましたw
FacebookなどのSNSも、iPhoneのボイスオーバーを使うと、読み上げてくれ、耳から情報が入るのですが、どなたかの投稿で「ゆめのたね放送局」という言葉が聞こえてきました。
⇒ 視覚のアクセシビリティ – iPhone – Apple(日本)
「ゆめのたねって何」と私は反応し、インターネットで検索するとちょうど「パーソナリティ募集」をやっていることを知り「いきたーい」と思い(ゆめのたね放送局の本局である)大阪に行きました。
旦那さんと行かれたのでしたっけ?
そうなんですよー。
説明会に主人といって「どうしてもやりたい」となったのですが「ゆめのたね大学(パーソナリティーになるための講習の名称)」に進むとなると、パワーポイントなど資料があり、1人だと難しいかなぁと思って…
共同代表のお二人に相談すると「僕たちは、あなたのゆめを応援する放送局ですから、是非どうぞ」と言ってくれました。
ホラ!ええ感じですねw
www
特別に主人と通わせて頂きました。
だから「ゆめのたね」大好き!
今後番組をどうしていきたいか、お話しください。
私にとって発信することは、まだまだ足りないと思っていますから、内容を充実していきたいと考えています。
例えば、ユニバーサルとかインクルーシブという言葉がありますが、当事者だからこそ社会に対してわかって頂けることってあると思うので、その視点からドンドン発信していきたいなぁと思っています。
【ユニバーサルとは】ユニバーサル社会と言われており「だれもが暮らしやすい社会」「だれもが参加できる社会」の意味。
【インクルーシブとは】「ソーシャル・インクルージョン」(社会的包摂)という言葉から来ており「あらゆる人が孤立したり、排除されたりしないよう援護し、社会の構成員として包み、支え合う」という社会政策の理念。
私も2030SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)の認定ファシリテーターをやっていることもあり、激しく同意です!
それスゴイですよねー。
スバラシイーwww
【2030SDGsの認定ファシリテーターとは】カードゲーム「2030 SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」の公認ファシリテーターのことで、SDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを分かりやすく体験するゲーム。
⇒ 一般社団法人 イマココラボ「公認ファシリテーターについて」
⇒ 外務省「SDGsとは?」
私がいなくても回る組織作り
ITは「みやこ」さんのように、五感が使えない方にもとても有効ですね。
めちゃめちゃ、使えます。
今や教育現場でのICT教育は当たり前になってきています。
【ICT教育とは】ICT(Information and Communication Technology)教育とは、パソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法のこと。
皆さんが使っているノートパソコンに読み上げソフトを組み込んだら、音声パソコンになります。
これは、キーボードのみなど操作方法が独特ですし、先に話したiPhoneのボイスオーバーを使うと、指のジェスチャーで支持を出さないと画面が動きません。
NPO法人ウエルネスハートでは、こういった使いかたの講習もやっています。
「NPO法人ウエルネスハート」は、国や地方自治体から表彰されたり、いろんな財団から補助金を受けていますね。
おかげさまでw
ビジネス系の当番組では、その財団さんの決算書を拝見しました。
「なんと少ないのだろうか」と額面に驚きました。
www
良い活動なのは間違いありませんが、足りないモノやサービスを実際に提供し、そこから経営や事業につなげられないものかな?と思いました。
私たちも目指しているところです!
NPO法人ウエルネスハートも8年になりますが、助成金・補助金に頼らないと経営が難しいのが現実です。
だから、自分たちで回せるようになるため「モノやサービス」に本腰を入れ、確立していかなければなりません。
ちなみにスタッフの方は何名ですか?
11名です。
まずは私の「応援がしたい」という方が多いです。
今後の課題として、私がいなくても回る組織作りに取り組んでいきたいと考えています。
2、3年はもう少し私自身の発信力を高めて、番組はもちろん、NPOの活動を広報できるように、私自身の認知度をあげることですね!
「持続可能」ですね。
ありがとうざいますw
「みやこ」さんがまいた種は、お子さんの世代かも知れないし、その先かもしれないし、もしかしたら100年後かもしれません。その時に花が咲けば良いですね!
www
この課題には、しっかり向き合いたいと思います!!
NPO法人での直近の活動があると聞きました。
2020年12月12日(土)兵庫県の明石市で駅から近くの「アスピア明石」という施設の9階の子午線(しごせん)ホールをお借りして、視覚・聴覚障害者でも楽しめる映画と音楽のイベントをオンラインでも開催します。
イベントは終了しました。
⇒ 「五感で楽しむそれぞれの映画・音楽の集い」を見てみる
日時:2020年12月12日(土) 13:30〜16:15
イベント形態:オンライン(Facebook Live)
金額:¥1,000
募集期間:2020年11月21日(土) 18:00〜2020年12月12日(土) 09:00
読者やリスナーのみなさん「視覚・聴覚障害」なのに「映画や音楽」のイベントって、どういうことって思いませんか?
思いますよねーwww
アンテナのない私には、知るすべもありません。
「みやこ」さんの番組を聴くと、こういう「?」がわかりますね。
当事者だからこそ、伝えられることだと思います!
今回は「みやこ」さんの番組にについてお話しを聞きました。
実に興味深いキズキの多い時間でした。
石井 美弥子さん、
“BizHack MEDIA”にお越しいただき、本当にありがとうございました。
Information
【☆ウエルネスと笑顔を応援する☆miyakoの『アクティブにいこう!』】
パーソナリティー miyako
ゆめのたね放送局 関西チャンネル 毎週月曜日 10:00~10:30 放送中
公式放送局ホームページ|http://www.yumenotane.jp/active
公式Facebookページ|https://www.facebook.com/active.miyako/
【NPO法人ウエルネスハート】
TEL/FAX|078-918-6124
公式ホームページ|http://www.jonathanfriends.jimdo.com/
公式Facebookページ|https://www.facebook.com/wellnessheartz/
石井 美弥子さんへの問い合わせ
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