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【SDGs アウトサイドイン】カードゲーム|社会課題から事業をつくる

少人数経営のデザイン
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この記事は約10分で読めます。
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※この記事は、小さな会社でSDGsを事業に生かしたい人向けです。
2030SDGsカードゲーム認定ファシリテーターのコバヤシ(@BizHack1)です。

SDGsってなんなの?をわかりやすく体感できるワークショプがいくつかあります。
その中でビジネス向けのカードゲーム「SDGs アウトサイドイン」をプレイしました。

私たちのような小さな会社は、SDGsをどう取り入れ事業活動に生かせば良いのでしょうか?
今回は、【SDGs アウトサイドイン】カードゲーム|社会課題から事業をつくるの体験レポートです。

Podcast配信あり|BizHack MEDIA Vol.18| 2020.05.05,12/2020年05月05,12日配信「第18回放送」
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「SDGs アウトサイドイン」はビジネス向け

「SDGsアウトサイドイン・カードゲーム」は、世界が直面する環境問題や社会課題をビジネスの力で解決することにチャレンジし、新たなイノベーションで持続可能な社会を目指すことを学べるカードゲームです。

合い言葉は、「ネクスト・イノベーション!」。

SDGs アウトサイドイン公式ホームページより

参考:SDGs アウトサイドイン運営事務局

公式ホームページにはこう書いてあります。
実際にプレイしてみて、ビジネス向けであることを体感しました。
ゲーム自体も良くできていて、他のSDGsカードゲーム同様とても面白いです。

それでは、ビジネス向けであることの理由をみていきましょう。

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「SDGs アウトサイドイン」がビジネス向けな理由

ゲームの名前になっているアウトサイドインとはなんでしょうか?

アウトサイドインとは、2015年9月に国連サミット採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のビジネス指南書「SDGコンパス」にも記載されている公式のビジネス用語です。

このビジネス用語を簡単にいうと

社会課題をビジネスを通じて解決していく

ということです。

似ている用語では、「プロダクトアウト」「マーケットイン」があります。

  • プロダクトアウト
    ⇒ 自社の製品・サービスの強みを生かしてマーケットを開拓する
  • マーケットイン
    ⇒ 市場のニーズに合わせて製品・サービスを開発する

一見「アウトサイドイン」は「マーケットイン」と同じように見えます。
何が違うのでしょうか?

日本の「マーケットイン」は、1970年代から数十年たっています。
すでに国内は成熟期にあり市場の声を聞くだけでは差別化できなくなっています。
そこで、社会の声を聞くというもう1個上に着目している訳です。

「アウトサイドイン」の言葉の意味は、アウト(=社会)とイン(=企業や組織)をさしています。「アウトサイドイン」は「マーケットイン」の進化したものと考えるとわかりやすいかもしれません。

参加したワークショップのスライドでも説明がありましたが、写真よりも公式ホームページにある図解がキレイでしたので、こちらを引用させていただきました。

SDGsアウトサイドインの事業戦略図
SDGs アウトサイドイン公式ホームページより

これが理解できるように設計されているカードゲームが「SDGs アウトサイドイン」です。

「SDGs アウトサイドイン」Twitterでの話題

Twitterでは、SDGsを事業に取り入れるビジネスに生かすなどがツィートされています。
参考:ツィッター検索 SDGs アウトサイドイン

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社会課題をビジネスを通じて解決していくって具体的には?

SDGsアウトサイドインのワークショップの様子
当日のワークショップの様子

「SDGs アウトサイドイン」のルールを見ていきます。

参加者はある特定の事業に取り組む会社の従業員の1人です。
事業を創造し会社を育てていきます。

最大で10社が存在し、参加者はいすれかの会社の一員という設定で取り組みます。
私が参加した時は、以下の5社があり、所属は「物流業」でした。

「コンサルティング」「科学メーカー」「物流業」「商社」「金融」

ゲームで使用するのは8種類のカード

ゲームで使用するカードは8種類あります。

カード名内容初期配布数
①プレイヤーカード(黄)プレイヤーの価値観・ビジョン1枚/人
②カンパニーカード(橙)会社の特徴1枚/チーム
③社会課題カード(水)社会が直面している課題8-9枚/チーム
④アセットカード(赤)企業の財産3枚/チーム
⑤ソリューションカード(緑)ビジネスノウハウ4-5枚/チーム
⑥プロモーションカード(青)プロモーション手法3枚/チーム
⑦お金カード事業資金15億円/チーム
⑧新事業カード新事業内容なし
SDGsアウトサイドインのカードの種類

①プレイヤーカード(黄)と③社会課題カード(水)は、ゲームに直接的に関わらない為、補足説明をします。

①プレイヤーカード(黄)は、会場に入った時に選びました。

SDGsアウトサイドインのプレイヤーカード

私は、SDGs17のゴールの4番「質の高い教育をみんなに」です。これが、今回のプレイ時の個人の価値観・ビジョンになります。

内容を人にはなしても良いですが、見せることは禁止です。可能な限りプイレイヤーになりきってゲームに参加することが大事です。

先にいってしまうと、この個人の目標は全くと言っていいほど、結果に反映させることはできませんでした。

会社の運営に翻弄され、そこまで考えられませんでした。こういうところも「現実を模している」と言えるでしょう。

③社会課題カード(水)は、「途上国での女性差別と教育・就労格差」や「耕作可能な農地の減少と生産性の減少」などSDGs17のゴールの各番号に沿った、世界や社会が直面している課題が記載されています。

ゲームの基本概念

ゲームの基本概念は、会場で配布された資料がわかりやすいのでこれを元に説明します。

SDGsアウトサイドインのゲームルール1/2
ワークショップ配布資料より

新事業カードを入手します。
入手方法は、アセット+ソリューション+お金です。
お金は2億円/回が必ずかかります。

ちなみに、、、
アセットカード(赤)には、「ロジスティクス」「既存顧客」などがあります。
ソリューションカード(緑)には、「地域連携」「リサイクル性の向上」「寄付/ボランティア/プロポ」「オンライン技術の活用」などがあります。

これをもって、事務局(ファシリテーターがいるところ)に持っていきます。
判定表から、成功、失敗を判定します。

成功は、「アセット+ソリューション」の組み合わせが正しい事です。
失敗は、「アセット+ソリューション」の組み合わせが正しくない事正しいとしても他の会社が既にその事業を創造してしまっている時です。

アセットカードとソリューションカードはなくなりません。
何度でも使えます。

SDGsアウトサイドインのゲームルール2/2
ワークショップ配布資料より

新事業カードを入手し、その事業をプロモーションします。
誰も知らなければ、お金になりません。

プロモーションには、「自治体との連携」「メディアへの露出強化」「SNS活用」などがあります。
お金は1億円/プロモーションです。

これをもって、事務局に持っていきます。
判定表から、資金を獲得します。

プロモーションがその事業と相性が良ければ、多くのお金が手に入ります。

プロモーションカードはなくなりません。
何度でも使えます。

これを繰り返して、最終的にいくら儲けたかを競います。

ゲームの流れ

ゲームの流れをみていきます。

前半と後半に分かれ、それぞれに以下のタイムが設けられています。
2回の決算を迎えるということですね。

①調査・検討 8分 >> ②行動 15分 >> ③決算

調査・検討タイム
チーム内相談や他チームの様子を見て回れます。交渉やカード提出はNGです。

行動タイム
チーム内議論や他チームと情報交換・交渉、事業創造、事業認知拡大など自由に行動できます。

決算タイム
手持ち資金のカウントを行います。

調査・検討タイムでしっかりリサーチして、行動タイムでどれくらい交渉できるかが胆になります。

自社が保有する資源だけでは新事業が生まれにくいため、情報交換、資源の売却など交渉の材料は何でもOKです。もちろん約束は「契約」だから違反はダメです。

ゲームの結果

前半、後半が終わった後の最終結果です。

SDGsアウトサイドインの結果

私たちは、「物流業」です。
前半は、9億円で2つの新事業。後半は、16億円で4つの新事業を創造しました。

ゲームの振り返り

ここから、振り返りを行います。
色々な意見が出てディスカッションします。

SDGsアウトサイドインの振り返り

例えば「金融」の会社は、「金融業」であると考えて、調査・検討タイムにも、他社に情報開示しませんでした。
個人情報保護法や、インサイダー取引になるからというコンプライアンスが働いたためです。そのため、他社との協力関係が取れず、じり貧になったというわけです。

うん、そうですね。間違ってはいない。

現在のよくできた「枠組み」をどうするべきなのか?
という議論に発展しました。

また、同じようなことはどの業種でも発生し、会社の変革に手を付けなければ、解決しません。こういう意見もありました。

「待ってられない。その取り組みが出来ている会社に移った方が良い。」
少子化の現在、人材獲得にも影響することがわかります。

このような振り返りをしながら、「アウトサイドインの実践に向けて」

  • 組織やチームの作り方
  • 社内ワークショップのマトリクス表などのツールの紹介
  • 既に取り組んでいる企業の事例 など

こういう切り口で講義を受けます。
色々な気づきを得ることができます。

難しいのは、新事業の創造です。
プレイヤーカードや社会課題カードを見て、こういう感じかな?とアセットとソリューションを他社と交換や買取、売却しても中々新事業が生まれません。
事業設立するのにお金を使うので、どんどん事業資金が減っていきます。

また、新事業のプロモーションも「フェアトレード」「give、give精神」「共感」などこれからに必要になるキーワードを駆使しても、リターンが小さい事もあります。

つまり、1社だけでは限界があることを痛感するわけです。

プレイヤーカードや社会課題カード部分でもっと他社と会話していかないと、やる事がぶれるな。と感じました。

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小さな会社ではどう取りくむの?

この時の参加者は、大きな会社でCSRや社会課題を企業価値に結びつけるような活動を行う新規部署の方が多かったです。
2030SDGsやSDGs de 地方創生も体験されている方もいて、どう企業活動に結びつけるのかがミッションです。

意識高い系

の人なのか、というとそうでもありません。
彼らが所属している企業は上場しています。
株主や投資家からこれらの取り組みをしないと、株価が落ちてしまします。

彼らには、

あまり猶予がありません。

だから、かなり積極的です。
自分のキャリアにも影響します。

では、小さな会社ではどう取りくむの?
ですが、「小さいが故にもっている強みを生かす」ことがよいです。

「意思決定の速さ」「地域との密着性」「柔軟性」「専門性を活かす」

などがキーワードです。

SDGsやアウトサイドインなど、またまた新しい横文字ですが、何も新規の概念ではないです。今までにある会社の理念をSDGsやアウトサイドインに照らし合わせることで、

「未来の状態に合わせることができる。」

と考えるのがよいのではないでしょうか?

大きな会社はやることが多すぎるので、集中してできると捉えると気が楽です。

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まとめ

「SDGs アウトサイドイン」カードゲームはビジネス向けです。
自分の価値観をもって、社会課題を意識しながら、アセットとソリューションを組み合わせてお金を使って、新事業を創造します。

創造した新事業は、プロモーションをすることで、認知・拡大を行います。

1社だけでは限界がある事がわかります。
他社との協力は必須です。

けれど、今までと違い自社のアセットとソリューションだけで、他社と協力しても新事業は創造しにくいです。
個人の価値観を元に社会課題に取り組むことを共有しないと上手く行きません。

小さな会社は、大きな会社できない、「意思決定の速さ」「地域との密着性」「柔軟性」「専門性を活かす」を活かして、取り組みましょう。

SDGsで17このゴール目標があり、強みの部分を活かしながら、守らなくてはならないガイドラインを作れます。アウトサイドインを使うと社会課題をビジネスを通じて解決していくことができます。

これからの事業での未来図として使いましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

PS.
以下は今回参加したワークショップ最後のスライドです。

主催のプロジェクトデザインの皆さま、こちらこそどうもありがとうございました!

編集後記

2019年後半できたばかりの「SDGs アウトサイドイン」カードゲームを体験できました。小さな会社でも、SDGsを取り入れビジネスに生かしていくことで、中長期の計画に反映することができます。これをやっていくと、情報化により変革スピードがとても早くなっている今の時代でも対応することができるな。と感じました。

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