※この記事は、デザイナーで稼げるのか気になる人向けです。
元デザイナーで1,700万円稼いでいたコバヤシです。
日本のデザイナーでは、お金の話はあまり聞きません。
海外ではそうでもないです。
日本のデザイナーでお金の話があまり聞かないのは、なぜだろう?
— コバタケ@BizHack (@BizHack1) September 12, 2019
私のまわりだけなのかなぁ。
40,50代の昔稼いでいたデザイナーさんが、結構困窮しているようで、相談をよく受けます。
昔稼いでいた方から相談をうけます。
このあたりも含めて、デザイナー職種で1,000万を稼ぐ【時間給ではムリ、成果で請ける】について深掘りします。
デザイナー職種で稼ぐのなら、成果で請ける
時間給で動くと、時間に対して金額がチャージされます。
成果で請けると、完成品に対する価値に値段がつきます。
他の職種でもいえる事ですが、時間給では限界がきます。
デザイナー職種で稼ぐのなら、成果で請けるべきです。
時間給ではなく、成果で請ける理由
とてもできる社員Aさん
力があるから主任やチームリーダーになったよ。
けれど、給料はそんなに変わらないなぁ。
こういう事がよくあります。
「仕事量だけ増えただけで、シンドイ」
これは会社の評価基準が曖昧なこともあります。
きちんと、ディレクションやマネジメントが、出来る事を明示しなくてはなりません。
別の言い方をすると、数値での成果目標達成出来る事です。
それに対する報酬という扱いで、きちんとボーナスで反映する。
となっいていれば、そんなに問題ないのかもしれません。
単体スキルだけでは、年間120万(月10万up)が限界ではないかと思います。
時間給しか選べないのが、会社員です。
成果で請けられのは、フリーランサーです。
どういう事か説明します。
会社員デザイナー職種の場合
会社員のデザイナーで、1,000万はムリです。
時間給しか選べない仕組みになっています。
これは、デザイナー職種の収入とスキル階層をみていくとわかります。
デザイナー職種の種類で需要のあるなしで若干変動します。
所感ですが、おおよそ+-10%前後です。
会社から見ると、社員1人に対して、以下のようなコストがかかります。
- 社会保険料の預り金
- 採用広告や説明会等の採用費
- 外部研修やOJT等による教育費
- 残業代
よく言われる、「社員の手取り額の3倍稼げ」はこれらのコストを考慮して言われることです。
「見習いから中級」は、300~500万(月21~35万)でした。
3倍ほどのコストがかかっています。
外部に発注しても60~90万なら同じと言えます。
フリーランサーのデザイナー職種の場合
成果で請ければ、デザイナー職種で、1,000万は可能です。
フリーランサーの場合、選択肢が2つあります。
- 準委任契約(派遣など)という時間給契約
- 請負型契約という成果物の請負契約
前者は、会社員と変わらないです。若干あがるくらいになります。
そもそも、デザイナーは吐いて捨てるほどいるので、あまり需要がありません。
また、外部に出すときは、プロジェクトの一部分を出すため、短期間が多いです。
後者は、品質重視の成果物を要求されます。
極端な話、100万の仕事が1日で納品できれば、その分だけ利益率が高いです。
時間は関係ありません。
【知り合いの会社の担当者の話 】
1枚5,000円で10枚の計5万円を3日であげる約束で、イラストを発注したことがありました。
約束の3日はすぎましたが、いつまでたっても納品されません。
結局1ヵ月後に納品されましたが、請求額は、20万円だったとのこと。
なんでも、1ヵ月もかかったので、これぐらい必要というのが先方の主張です。
担当者は、発注するのが、初めてで勝手がわからなかったとはいえ、とても反省したようです。
以降は、注文書や契約書の説明をしっかり行い、こういうことはなくなったとの事です。
私の場合の時間給と成果請負の話
私がゲームのデザイナーをやっていた時の話をします。
スタートは、120万円(時給650円)のアルバイト
時給650円のアルバイトでスタートしました。
120万円=1日5,200円(650円×8時間)×20営業日で月額104,000円です。
当時は、次世代ハード発売の頃です。
次世代ハードというのは、プレイステーションとサターンという家庭用ゲーム機の事です。
3か月のデザイン研修を受けます。
データとして載せるべく、ハードの特性を勉強します。
今ほど容量がなかったので、如何にデータを書くするかが課題です。
10個程の開発ラインがありました。
見習いデザイナーとして編成されていきます。
開発期間は、半年から1年です。
プログラマ1名に対してデザイナー3名くらいの比率です。
寝る間を惜しんで、デザインソフトを習得していきす。
特に次世代ハードは3Dという新技術が導入されたので、3Dソフトが必須です。
通常のデザインだけでなく、ムービーも入った為、動画編集ソフトなども習得の必要があります。
当時習得したソフトやハード群です。
- 3Dソフト
PowerAnimator(今のMAYA)
LightWave
Softimage
form•Z
Houdini - 2Dソフト
Photoshop(3.0英語版)
Illustrator - 動画編集ソフト
Premiere
After Effects - 画像処理ソスト
DeBabelizer
OPTPiX
- ハードウェア
Power Macintosh 8100
Indy ワークステーション
Indigo²
DEC Alpha搭載ワークステーション
- OS
Mac OS 9
IRIX(Linux系)
WindowsNT
ソフトが平均100万ぐらいで、ハードが200万くらいです。パワーマックが出て80~90万くらいになり、コストダウンできました。
Windows95がでて、更に安く調達できるようになります。
この他は、Lotus 1-2-3やNetWareで構築されたイントラネット、開発用にそのプロジェクトに合わせて、デザイナーツールをプログラマと開発したりもしていました。
ゲーム専用機の専用データフォーマットをカスタムしたりもしていたので、1本終わるころには、研究開発部にも所属することになります。
時給650円だったので、かなりのコスパだったと思います。
300万円(月25万円)の社員のオファーを辞退
2本目に入るとき、ハードの調達と、PC組み立てを100台くらいやりました。
開発が進み半年くらいで、そのプロジェクトはとん挫します。
10名くらいの人員だったので、エライ事です。
開発中止理由は、売れる目途がないからですが、チームの大半の心がおれています。
ほぼ全員辞めました。
開発要員1,000人規模でしたので、微々たるものかも知れません。
けれど、同ラインのデザインチームは、崩壊しました。
デザインチーフが不在で、私に話が回ってきます。
昇格と同時に、300万円(月25万円)社員のオファーがきます。
上場前のストックオプション付で打診されたので、とても良い条件でした。
でも、興味がなかったので、300万円(月25万円)の外注になりました。
これがフリーランサーになった瞬間です。
その後、324万円(月27万円)になります。
どっちでもいいです。
300万円(月25万円)の外注から、1,440万円(月120万円)へ
3本目が終わった時、完全独立します。
仕事をとりにいき、無償で3か月のお試し期間を打診すると、使ってもらえる事になりました。
3か月後、720万円(月60万)になりました。
3か月後、もう1名を投入し、1,440万円(月120万円)になりました。
デザイナーになってから、2年半で1,000万円を越えました。
その後、請負型契約に変更し、1本1,700万円での契約を結びます。
開発期間8ヶ月でしたので、月210万円となります。
その後、4,000万円(月670万円)で法人化
28歳の時、安すぎると思い、フリーランサーを辞めます。
6ヵ月で4,000万円(月670万円)の案件をとり、2人で法人設立しました。
一旦整理
整理します。
- 時給 24歳 120万円(時給650円)
- 時給 25歳 300万円(月25万円)
- 成果 26歳 1,440万円(月120万円)
- 成果 28歳 4,000万円(月670万円)
時給でやると、伸びが悪いです。
月25万は当時のその会社でのデザイナーの最高額でした。
成果でやると、伸びが良いです。
デザイナーになってから、5年で4,000万円になりました。
デザイナー職種で、とことこん技術追及するのもあり
お金ばかりが全てではないので、1,000万円を目指す必要はありません。
デザイナー職種は、スキルしかないので、とことこん技術追及するのもありです。
結構、道は険しいです。
おおよそ1,000人中、多くて2名くらいが最前線で残れるイメージです。
この記事の最初に述べた以下は、40歳後半から50歳くらいの方々です。
昔稼いでいた方から相談をうけます。
昔は稼いでいて、皆さん800~1,000万位でした。
技術進化はとても速いです。
彼らが習得していたDTPやグラフィックデザイナーの需要は、とても減りました。
センスや流行にも敏感に反応しなければなりませんが、少しずつ劣っていきます。
デザイナーは、スポーツ選手ほど短命ではないが、プログラマほど長く持ちません。
このあたりの将来性は考慮した方が良いです。
まとめ
時間給で動くと、時間に対して金額がチャージされます。
成果で請けると、完成品に対する価値に値段がつきます。
時間給しか選べないのが、会社員です。
成果で請けられのは、フリーランサーです。
会社員のデザイナーで、1,000万はムリです。
成果で請ければ、デザイナー職種で、1,000万は可能です。
デザイナー職は、スキルしかないので、とことこん技術追及するのもありです。
けれど、道は険しいです。
将来性は考慮した方が良いです。
デザイナー職種で稼ぐのなら、成果で請けるべきです。
おまけ:デザイナー職種の種類と、伸びている領域
そもそもデザイナー職種がどんな種類があるのかを見ていきます。
2019年現在だと、こんな感じです。
- グラフィックデザイナー
- Webデザイナー
- CGデザイナー
- ファッションデザイナー
- ゲームデザイナー
- UI/UXデザイナー
- DTPデザイナー
- エディトリアルデザイナー
- インテリアデザイナー
- プロダクトデザイナー
- イラストレーター
伸びているのは、Webデザイナーです。
ますます伸びる市場だから、需要があります。
これにUI/UXを学ぶと差別化できます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。