※この記事は、税理士の顧問契約の内容を知りたい人向けです。
税理士と顧問契約をしているコバヤシ(@BizHack1)です。
自社のサービスやプロダクトで拡大しようとしている、小さな会社の方から聞かれることがよくあります。
それは、、、
「税理士との顧問契約で
毎月やっている事ってなんですか?」
です。
今回は、【税理士の顧問契約】毎月やっている内容公開【ITリテラシーを要求】を紹介します。
これからの税理士に求めるのは「ITリテラシー」
税理士との契約は、大きく2つあります。
1つ目は顧問契約で、2つ目は申告書作成(確定申告、決算)です。
今回は、顧問契約の内容ですから、顧問契約について説明します。
おおよそ、どこでも同じ内容です。
売上規模により、料金が変わってきます。
小売業なら、仕入先が増えてくるでしょうし、古着屋さんをやっているなら古物商の免許も必要です。
業種により該当する商法、税法が変わってきたり、仕入れ量・取引先の数も増えます。
消費税や、役員報酬の決定方法により節税対策かわります。
法改正に対応しているなど、専門知識が必要です。
あなたは、税の専門家ではないでしょうし、経営に集中する為にも税理士と顧問契約しているかも知れません。
以前ならこれで良かったのですが、ここ最近はちょっとこれだけでは足りなくなってきました。ITリテラシーが必要です。
なぜでしょうか?
理由を説明します。
税理士にITリテラシーが必要な2つの理由
先進諸国に比べてIT・オンライン化が遅れている日本ですが、ゆっくりではありますが、徐々に進めていました。
今回の新型コロナウィルスにより生活様式が変わり、一気に加速しそうです。
ここで必要になってくるのが、IT関連サービスや機器、テクノロジーについて理解し、使いこなす能力です。
これをITリテラシーといいます。
行政サービスと会計系クラウドサービスが融合化
行政サービスでは、e-tax(イータックス)、e-Gov(イーガブ)、eLTAX(エルタックス)、マイナンバーカードなどがあります。
行政サービスの電子化が義務化されていっています。
まだまだ手順が複雑だったり、使い勝手は悪いですが、大きな会社から進んでいます。
会計系クラウドサービスは、マネーフォワードクラウド、freeeなどです。
会計や経費、勤怠管理のみならず、労働保険や社会保険の申請が出来るようになってきました。
行政サービスはAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)と呼ばれるものを外部公開しており、民間業者のサービスがそれを組み込むことで連携できます。
以前は社労士の業務範囲であり、経営者個人が年金事務所に出向いて申請したりしていました。今は会計系のクラウドサービスがどんどん取り込み、拡張されています。
クラウド会計を取り入れているあなたなら、顧問税理士にこれらの質問が増えているはずです。税理士は答えられていますか?
コミュニケーションのオンライン化
バックオフィスのIT・オンライン化が進んでいたところに、新型コロナウィルスでソーシャルディスタンス、ステイホーム、テレワークと、一気に生活様式が変わりました。
Google スプレッドシートやGoogl ドライブのようなGoogleが提供するG Suiteなどに加え、Zoom、Microsoft Teamsなどのオンラインでミーティングできるサービスがでてきました。
顧問税理との月の面談も様変わりし、オンラインで行う事も多いです。
オンラインミーティングにも、オンラインならではの特性があります。
この特性を知らないと、ミーティングは上手くいきません。
税理士にもファシリテーションスキルが必要です。オンラインミーティングが増えているあなたは、税理士の進行に満足していますか?
これが税理士にITリテラシーが必要な2つの理由です。
顧問税理士と毎月やっていること
では、私と税理士の月次ミーティングをみていきます。
私の所属している会社は、ITに強い顧問税理士事務所と契約しています。足を使って探しました。⇒ 【税理士との付き合い方】目的にあわせて、ブレインとして位置づける
担当税理士は20代です。
前職は大手のB2Bの証券系税理担当、自身で事業を手掛けた上で、再度多くの顧問とつながるために副業OKである今の事務所に就職されました。
個人でも資産形成を行い証券取引や不動産もやられています。
【準備】ミーティングまでにやっておくこと
クラウド会計に月次〆の情報入力は、遅くともミーティング前日午前中までに完了させます。
会計質問シートという税理士とやりとりする書類を作っています。
Google スプレッドシートでつくっていて、確認・質問・相談や当日のミーティングで使う資料を共有場所を書きます。
内部資料なので、体裁は気にしていません。
共有場所は、Googl ドライブを使っています。
簡単な仕訳程度ならミーティング中でも問題ありませんが、込み入ったことだと、ミーティング前に情報共有しておかないと、税理士も準備ができません。
例えば、
自社と税理士事務所から各行政サービスへのアクセス状況や操作を図解したり、
新型コロナウィルスによる、資金調達商品でこれ以上のものがあるのかの確認など、
情報が正確で相手が理解できればよいです。
この後、Chatworkで月次〆の通知を行います。
【開始】Zoomでオンラインミーティング
ミーティングはZoomを使っています。
税理士事務所の標準ツールは Google Meet(旧Google ハングアウト)です。
Google Meetでも問題はありませんが、圧倒的にZoomの使用頻度が上がっているため、統一しています。
時間は90分取っています。
30分が仕訳があっているかなど、月〆についてはなし、残り60分で事業展開のはなしをします。
税理士事務所は、テレワーク対応ができています。
月に数回、オフィスにいく必要はありますが、担当者の自宅からでもOKとのことです。
オフィスの場合は、税理士は会議室で行うため、音が反響します。
ヘッドセットなどたいそうなものは使わず、スマホに付属しているイヤホンは使って頂いています。
ミーティングが開始すると、「【準備】ミーティングまでにやっておくこと」で用意した会計質問シートをもとに進行します。
この時、税理士主導で会計質問シートやクラウド会計の画面を操作して頂くため、画面共有をして頂きます。
これは、楽をしたいからではありません。
画面操作をみると、マウスの軌道がわかります。
マウスの軌道がわかると、使っているサービスの操作手順や検索用語など、こちらが知らないことを知る事ができます。
また、会計質問シートの回答欄に記載して頂きます。
こうすると、知らない専門用語に対して質問ができたり、思っている数値の違いがハッキリします。
文言というアウトプットで、齟齬がでません。
最後に次回ミーティングの日時をその場で決めます。
Zoomの予約もその場か遅くとも当日中にしてしまい、URLやパスワードなどの必要情報をChatworkで共有します。
議事録や備忘録はつくりません。
会計質問シートに記録しているからです。
但し、相手と1度も仕事がしたことがない場合や、案レベルで定量化できない定性文言などは、メモ帳で記録しChatworkで共有することもあります。
【終了】ミーティング後~次回ミーティングまでの期間
ミーティング終了後は、間違っていた解釈や、知らなかった税法の内容・サービス・会計サービスの新規機能などを次のミーティングまでに調査します。
はじめての起業だったり、会計知識がない場合は30分ぐらいでも調べておくと良いかも知れません。
ミーティングででた内容と経営・事業計画の数値や時期に大きな差異があれば、修正します。
あとは、日々の実績情報を会計サービスに入力して、次回ミーティングの準備に入ります。
ベテラン+若者の構成がベスト
月次定例ミーティングはこのような感じで進行しています。
ITリテラシーがないと、ミーティングが成り立たないとは思いませんか?
世の常ですが、ITリテラシーは若者の方があることが多く、実務の経験はベテランの方があることが多いです。
そこで、ベテラン+若者の構成で体制を組んでいただくことをおすすめします。
2人体制で面談するということではありません。
ミーティング前に情報共有することで、若手がベテランに相談できるようにしましょう。事例では、会計質問シートが情報共有にあたります。
税理士事務所も経営しているので、担当替えもあります。
あなたが、情報共有を用意しているにも関わらず、若手に丸投げしているようなら、税理士事務所を変更しましょう。
まとめ
今回は、毎月やっている税理士ミーティングを公開しました。
「税理士との顧問契約で毎月やっている事ってなんですか?」がきっかけです。
数十回も聞かれたので、私自身「なんで、そんなに聞きたいのかな?」と思っていました。
行政サービスのe-GovやeLTAXなども民間業者のサービス連携も始まるでしょうから、ここに対応できる税理士が、必要なんだろうと思います。
顧問税理士にITリテラシーを要求する時代ですから、ちょうど良い機会になりました。
これからの若手経営者は、間違いなく望むでしょう。
経営判断のスピードに直結するので、そういう目線で顧問税理士を選んでみてはいかがですか?
最後まで読んで頂きありがとうございました。